日本でもお馴染みのリーバイス(リーバイス・ストラウス)

言わずと知れたアメリカのジーンズメーカーで、2019年に株式上場を果たしたことが有名になりましたが、リーバイス社は以前1971年にも株式上場していたのですが、その後、創業者一族による株式の買い戻しにより上場を廃止していたことがあります。

リーバイス社はどんな理由でそんな決断をしたのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

かってリーバイス社は、海外でジーンズを製造する工場で「児童労働」が横行している実態をつきとめます。

 

 

 

 

 

 

 

 

その当時、リーバイス社は、人件費の安い海外の縫製工場にジーンズの製造を委託しており、もちろん、児童を直接雇用していた訳ではありませんが、「現地に学校を建設し、子どもたちをその学校に通わせ、しっかり勉強をさせたうえで、就労が可能な年齢になったら雇用する」という方針を打ち立てたのです。

しかし、この方針に対して株主からは「学校を建設する余裕や資金があるのなら、もっと株主に還元すべきだ」という批判が相次いだのです。

これに対してリーバイス社は、「自社が社会的責任を果たすためには、株主の利益に左右されない企業にならなくてはならない」として、上場廃止を決めたのです。

今でさえ、企業の社会的責任(CSR)やサスティナビリティ経営といった考え方が主流になり、製造過程(サプライチェーン)におけるあらゆる労務問題に配慮しなくてはいけない時代に突入しましたが、当時はまだオーソドックスな経済合理性(価格・品質・物流)が求められる時代に中、リーバイス社は先端的な考え方で経営の舵を切ったのです。

その後も、リーバイス社は製品に関わるすべての人(製造者、販売者、購入者など)に寄り添った「サスティナビリティ」な経営に積極的に取り組み、自社ブランドに対する根強いファンを獲得し続けました。

 

 

 

 

 

 

 

その後、2019年に再上場を果たしたときは、公募価格より「30%も高い価格」で上場初日を終えただけではなく、同日のニューヨーク証券取引所では、リーバイス社に「敬意」を表して勤務中にジーンズ着用が許可されたというエピソードがあります。

 

 

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